アグリビジネス創出フェア2025にてパネルディスカッション・ブース出展をしました
2025年11月26日~28日に、農林水産省主催の「アグリビジネス創出フェア2025」が開催され、全国のスマート農業技術メーカーやスタートアップ、研究機関などが一堂に会しました。本イベントは、農林水産・食品分野の最新の研究成果を分かりやすく紹介し、出展者と来場者のマッチングを促進することを目的としています。会場では多彩な展示やセミナーが行われ、農業の未来を担う技術やアイデアが活発に発信されました。
パネルディスカッション
本イベントの中で、スマート農業イノベーション推進会議(IPCSA)会員によるパネルディスカッション「スマート農業技術の開発・供給の未来について」を開催し、多くの来場者の注目を集めることができました。パネリストには、大学や民間企業の技術開発者、生産現場のリーダーなど、農業の現場と技術の最前線で活躍する多様なメンバーが登壇しました。
パネルディスカッション 登壇者
株式会社日本総合研究所創発戦略センター チーフスペシャリスト 三輪泰史氏(ファシリテーター)
愛媛大学教授 有馬誠一氏
プロダクトソリューションエンジニアリング株式会社代表取締役 廣畠健一氏
株式会社三浦農場代表取締役 三浦尚史氏
もりやま園株式会社代表取締役 森山聡彦氏

パネルディスカッション内容
パネルディスカッションでは、まずスマート農業技術の現状と今後の展望について、各登壇者から紹介がありました。昨年施行された「スマート農業技術活用促進法」に基づき、現場ニーズに即した技術開発や導入が進められていること、AIやIoT、ロボット技術などの活用による生産性向上や省力化の取り組みが具体的に語られました。 また、生産者側からは、スマート農業技術の導入による作業効率化や品質向上のメリットだけでなく、現場で直面する課題や改善点についても率直な意見が述べられました。例えば、機器の操作性やメンテナンス、コスト面の課題、地域ごとの導入状況の違いなど、現場ならではのリアルな声が共有されました。
一方、技術開発者側からは、現場の声を反映した製品開発の重要性や、ユーザーとのコミュニケーションを通じた改良の取り組みが紹介されました。特に、農業ロボットやAI診断システムなどの最新技術については、実証実験や現場フィードバックを重視し、使いやすさや信頼性の向上に努めていることが強調されました。
パネルディスカッションの終盤では、スマート農業技術の未来像について意見が交わされました。生産者・技術開発者それぞれの立場から、今後期待される技術や、持続可能な農業の実現に向けた課題、産学官連携の可能性など、多角的な視点で議論が展開されました。特に、地域ごとの課題解決や人材育成、データ活用による新たな価値創出など、スマート農業がもたらす社会的インパクトについても言及されました。
IPCSAは、こうした現場の声と技術の融合を通じて、農業の未来を切り拓くイノベーションの推進に取り組んでいます。今後も、産学官の連携を強化し、現場ニーズに即した技術開発と普及、持続可能な農業の実現に向けて貢献してまいります。
本パネルディスカッションは、スマート農業技術の最前線を知る貴重な機会となり、また、IPCSAについて来場者の皆様に知っていただくきっかけとなりました。
ブース出展
来場者への活動内容の周知のため、ブースにてIPCSAの活動概要や、会員間マッチングが可能なウェブサイトについてご案内をしました。ブース来場者の方からは、企業間マッチングに関心のあるという声や、技術的な情報発信に期待されているという声をいただきました。
また、スマートグラスを装着し、MR(複合現実)技術を用いてドローンの操縦の疑似体験の場を提供しました。ブースに立ち寄った学生など若手人材にも、スマート農業技術に触れ、興味を持っていただくきっかけとなりました。
当日ブースにお立ち寄りいただいた方には、アグリビジネス創出フェア終了後も、IPCSA会員登録方法のご案内や直近で開催予定のイベントについて周知していますが、引き続き会員の輪を広げ、会員の皆様の関心が高い情報発信に努めていきたいと考えています。
