第2回露地野菜・花き作プラットフォームを開催しました―出荷・流通DXが農業にもたらす革新―
2026年1月26日、第2回露地野菜・花き作プラットフォームが開催されました。前回、「出荷・流通業務のDX化が進まないと、生産現場でのスマート農業技術の活用につながらない」等の意見が多数あったため、「農産物流通のDX化」をテーマに取り上げ、農業者をはじめ、出荷・流通に関連するサービス等を提供している事業者や研究機関が一堂に会し、現状や課題について活発な意見交換が行われました。
意見交換では、出荷・物流DXを導入する上での障壁や今後の発展に向けた課題について具体的な事例を交えながら議論が進められました。
農業分野における出荷・流通DXの最前線
出荷・流通DXの取り組みとして、生産から流通まで幅広い段階をカバーするクラウドシステム、出荷者と流通事業者間で日々行われる取引をデジタル化するサービス、生産から加工・流通、販売など一連のデータを様々なシステムから連携するプラットフォーム、そして生産効率向上に役立つ生育予測技術について、各事業者や研究機関から紹介されました。
これらの業界全体のデータ基盤構築と連携強化が、今後の出荷・物流DXにおいて重要になると期待されています。
本プラットフォーム内で紹介された内容についてはこちらをご覧ください。
農業現場で直面する出荷・流通DX化に向けた課題とその対応
出荷・物流DX化を今後展開していく上で、いくつかの課題も浮き彫りになりました。
- 多様な取引・商慣行への共通化
複数対複数の取引が存在し、商慣行が異なる現状をどのように共通化していくのかが大きな課題となる。フォーマットが異なると、データ入力の負担も増加する。生成AIやOCR(光学文字認識)で伝票の自動認識・電子化が進むものの、個別システムの乱立を防ぎ、共通データ基盤で多様性を吸収する仕組みが不可欠となる。 -
単価の異なる農作物でのコスト負担
二次元コードやRFID(バーコードのスキャンと異なり、電波で複数のタグを一気にスキャンすることができる技術)などによる個体管理や履歴管理の可能性が拡大している一方、シール発行やタグ管理のコストが課題となる。農産物の単価によりトレーサビリティ(生産から消費までの全過程を記録・追跡する仕組み)投資への採算性が異なるため、特に単価の低い品目でのコスト負担が課題となる。
これらの課題について、例えば、様々なシステムの仲介については、ukabisがその役を担うことが期待されているほか、データフォーマットの標準化については、共通化すべき項目と各事業者が自由に設定できる項目の整理をすることで、実現に近づくことを確認しました。
また、システムを導入することで、人為的な誤りが解消され、正確に情報を管理することができ、事務作業の時間が削減され、人件費も削減され、結果的に収益向上につながるなど多岐にわたるメリットをもたらすことが期待されており、既に導入している事業者でも、事務業務の属人化排除や労働者減少への対応に対して効果が確認されています。
産地、流通業者、システムプロバイダー、行政が一体となり、データ基盤への接続を進めることが、農業DX普及拡大の鍵となるとの認識が共有されました。
まとめ
第2回露地野菜・花き作プラットフォームでは、出荷・流通DXが農業の未来を切り拓く重要なテーマであることを改めて確認しました。異分野でDX化やトレーサビリティが急速に進む中、農業分野が後れを取らないためにも、農業現場の関係者が真剣に協力して推進していくことが必要です。煩雑な伝票の入力や電話対応等から解放される未来を皆さんと一緒に作っていけることを期待しています。引き続き、本プラットフォームでも議論を行っていきます。
その他、議論された内容の詳細についてはこちらをご覧ください。
※IPCSAプラットフォームでは、今後もこうした対話の場を通じて、皆様に新たな気づきや成長のきっかけを提供できる活動を展開し、スマート農業技術の活用促進に寄与していきます。
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