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第2回水田作プラットフォームを開催しました―農業経営の課題把握に向けたデータ活用とは―

2026年1月23日、第2回水田作プラットフォームが開催されました。本会議では、茨城県で大規模に水稲を栽培している横田農場から、スマート農業技術を活用した収量向上と作業効率化の取り組みが紹介され、経営課題からデータ利活用、コスト削減、スマート農業技術の活用、そして技術導入支援の重要性について意見交換が行われました。

先進的な農業者による事例紹介

今回、事例を紹介した横田農場は、水稲177haを田植え機・コンバイン1台で管理しています。これを可能にしているのは、データを活用した緻密なシミュレーションです。大規模化・効率化を実現するために、スマート農業技術の戦略的な導入と、データを活用した経営管理が重要であることが示されました。

本プラットフォーム内で紹介された内容についてはこちらをご覧ください。

横田農場の取組紹介を踏まえて、参加メンバーで以下について議論がなされました。

農業経営の課題を理解するためのデータ活用

持続可能な農業経営を確立するためには、まず自らの経営が抱える課題を正確に理解することが出発点となります。そして、その理解を深める上で最も強力なツールとなるのが「データ」です。

横田農場がデータ活用を始めたきっかけは、田植え後の苗の多量な余剰への「もったいない」という気づきでした。この素朴な問題意識から、Excelを使った苗量管理を始めたことが、経営の数字を見える化する第一歩となりました。

意見交換では、この「データ収集、分析、改善」の重要性が繰り返し強調されました。

  • 身近なツールを使ったデータ収集
    「課題に対し、数字を使って解決することが重要。現場発でExcel等を用いたデータ管理から始めることが効果的」であり、「基本的なことであれば、Excelを使った管理でも十分」との意見も示されました。高価なシステム導入が難しい場合でも、身近なツールでデータ収集は始められます。
  • PDCAサイクルの実行
    データ収集の目的は、単に数値を集めることだけではありません。収量向上を目的に、作業内容・タイミングの把握、収量の比較、反収の変動の原因・理由を特定し、振り返ることでPDCAサイクルを回すことが重要です。特に田植え期のように、広い面積を限られた期間で作業する必要がある時期には、データに基づいた綿密な計画が鍵となります。
  • 営農支援システムとの連携による精度向上
    営農支援システムと自社で収集したデータを組み合わせることで、生育ステージ予測の精度向上に繋がり、より的確な営農判断が可能になります。

 データを活用することで、感覚に頼っていた経営から、客観的な数字に基づいた「見える化された経営」へと転換し、自社の強みと弱み、改善点を明確に把握できるようになります。

経営課題を明確にした上でのスマート農業技術活用

さらに、「自社の経営課題を明確にした上でこそ、スマート農業技術はその真価を発揮する」という意見もあがりました。課題を把握しないまま見栄えの良い情報を鵜呑みにしたり、やみくもに最新技術を導入したりするのではなく、「抱える経営課題を把握し、解決策の1つとしてスマート農業技術の活用を検討することが大切」という意見が示されました。

また、課題に合わせて段階的、かつ部分的にスマート農業技術を導入していくことも重要で、全てをスマート農業技術で補うのではなく、アナログ技術と組み合わせることで、費用を抑えながら収益の向上に繋げるという視点も必要です。加えて、農薬散布にドローンを使用することを当初は否定していたものの、実際に使って初めてメリットを実感できたという経験も共有され、課題の解決に役立ちそうであれば、まずは試してみることの重要性も示唆されました。

まとめ

第2回水田作プラットフォームでは、先進的な農業者の具体的な取組の紹介を通じて、データを蓄積することで農業経営の課題を見える化する重要性を確認しました。見える化により、作業ごとの分析が可能となって初めて、経営課題に合わせた効果的なスマート農業技術の導入を検討することができます。また、こうした個々の農業経営体の課題を解決していくことが、地域課題の解決にもつながっていくとの見解も示されました。

どのようなデータを収集し、どのようにデータを有効活用するのかなど、他の農業者の取組から新たな気づきが得られたのではないでしょうか。引き続き、共通課題や対応策の検討を行ってきます。

その他、議論された内容の詳細についてはこちらをご覧ください。 

IPCSA第2回水田作プラットフォーム会議内容詳細.pdf

※IPCSAプラットフォームでは、今後もこうした対話の場を通じて、皆様に新たな気づきや成長のきっかけを提供できる活動を展開し、スマート農業技術の活用促進に寄与していきます。


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・第1回開催レポート:「第1回水田作プラットフォーム開催しました

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