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第3回施設野菜・花き作プラットフォームを開催しました―未来から逆算して考える、フィジカルAI活用への道筋―

2026年5月15日(金)、スマート農業イノベーション推進会議「第3回 施設野菜・花き作プラットフォーム」がオンラインで開催されました。テーマは「農業分野でのロボット技術の活用」。生成AIに続き、昨今注目度が高いフィジカルAIを中心に、異分野・農業分野双方の視点から、現状と課題、対応の方向性が共有されました。

本プラットフォームでは、ロボット技術について、異分野でどこまで進んでいるのか、課題となっている部分は何か、また、農業分野に応用できるものがあるのか、できない要因は何か等を軸に議論を行いました。
さらに、農業の将来像を意識しながら、既存の栽培・販売方式にとらわれず、今やるべきことを整理していく―ロボット技術の活用における重要な視点についても意見交換しました。

フィジカルAIでは今、何が起きているか

ロボットに用いる周辺技術としての基盤モデルの開発動向が取り上げられ、模倣学習・強化学習・基盤モデルのロボット応用が論点として共有されました。あわせて、オープンソース等も活用しながら、農業分野を含む分野での展開を進める必要性も紹介されました。

また、現場適用に向けた事例も共有されました。施設栽培トマトでは、自動収穫機の開発が進み、欧州での販売を実現した事例も紹介されました。さらに、AIでトマトを検知して熟度判定し、果実を吸い込む方式で自動収穫するロボットの開発と、自社保有農園での実証研究を一体で進める取組も紹介されました。

ボトルネックは「データ」

ロボットを動かし、改善していくうえで避けて通れないのが複雑な作業のデータ収集です。本プラットフォームの参加者からは、「製造業でもロボット活用は『まだ基礎段階』」との意見があり、データ収集が最大のボトルネックであることが示されました。

特に、工場内で作業中の者から直接データ収集することはコスト高となるため、そのデータが将来のロボット投資のみならず、目の前の課題である安全評価や生産性改善にも使えるというようなデータ収集・活用の工夫の仕方が重要であるとの助言がありました。
農業分野でも、現場知見の吸い上げや、AI学習用データの整備を、いかにコストをかけずに工夫して実施できるかが大きなポイントとなります。

現場ならではの難しさ

日本の施設園芸では、小規模で規格が非統一な場合が多く、品目・品種・品質に応じた個別開発が必要になります。

加えて、農業タスクは細分化され、環境差も大きいことから、模倣学習の汎化が困難である点も論点として挙げられました。ロボットを広く使える形にしていくには、現場の多様性をどう整理するかが問われます。

バックキャストで「やること」を揃える

ロボット技術の導入にあたっては、既存の農業構造や作業工程を前提にして検討するのではなく、2050年・2100年像からバックキャストしていく重要性について示されました。将来の食料生産をどう支えるのか、将来像を先に置くことで、単なる機械化ではなく、どの作業をどう置き換え、どの工程を標準化し、どのデータを集めるべきかなど、現場側で整えるべき条件も見えやすくなります。

地域単位での集団化・大規模化を進め、農作業の規格化を行うことが必要であり、そして、作業の標準化や生産方式の統一ができれば、ロボットの適用を一層拡大していくことが可能となります。

また導入の入口として、運搬など重労働の単一タスクの自動化にはニーズがあること、1タスク対応ロボットは比較的安価になってきているという情報も共有されました。

実装の鍵

人口減少や耕作放棄地の増加の中、ロボット技術の活用が期待されていますが、技術があっても、現場で使い続けられなければ定着しません。本プラットフォームでは、現場側の整理や受け入れ準備の必要性について共有されました。

あわせて、ロボット収穫に適した品種の活用や、技術導入とセットで行う教育トレーニング、人材育成、地域合意の必要性が挙げられました。
また、「トマトのヘタを残す」などのこれまでの出荷規格にあわせたロボットの開発には時間や費用を要するため、消費者ニーズを踏まえて出荷規格や仕様を見直すなど、ロボット収穫でも等級が落ちない環境作りや開発のハードルを下げる発想など、業界全体で価値観の転換を認識する必要性も示されました。

そして、データの収集・活用の課題については、オープンソースと基盤づくりが重要であり、IPCSAが関係者のハブ機能の役を担えるのではないかとの期待が寄せられました。

まとめ

第3回 施設野菜・花き作プラットフォームでは、農業ロボットの議論を「機械の話」に閉じず、データ、規格、教育、地域合意まで含めた“実装条件”として捉える視点を改めて共有することができました。また、その全体像を束ねる考え方として、課題を定義し、具体的に、いつ、誰が、何をやるべきなのかを定めるロードマップを作成することが重要であり、それにより異分野からの参入も検討しやすくなる、という方向性が示されました。そして、データの収集・活用やロードマップの検討において、IPCSAが有する多様な関係者とのネットワークや知見等を活かすことが重要であることがわかりました。

その他、議論された内容の詳細についてはこちらをご覧ください。 

※IPCSAプラットフォームでは、今後もこうした対話の場を通じて、皆様に新たな気づきや成長のきっかけを提供できる活動を展開し、スマート農業技術の活用促進に寄与していきます。


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