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【生産】認定事例vol.17ー生成AIを活用した環境制御で花き栽培ー

生産方式革新実施計画の認定事例

山田裕也氏(愛知県豊川市)

愛知県豊川市で施設園芸(スプレイギク)を行っている山田裕也さん。
令和7年7月、「生産方式革新実施計画」の認定を取得し、スマート農業技術を用いた先進的な農業を行っています。
今回は山田さんの農場を訪ね、スマート農業の実践内容から生成AIの導入、そして認定取得を通して得られた手応えについて、お話を伺いました。
※計画認定制度については、こちらをご覧ください。 

Q1.認定を取得したきっかけを教えてください。  

これまで複合環境制御装置を導入し、温度・湿度・日射などのデータを活用した栽培管理に取り組み、スマート農業による生産性向上を進めてきました。これらの取組を体系化し、さらなる省力化と品質安定を図りたいと考え、本計画の認定を取得しました。 

Q2.山田さんの農場で導入されている環境制御について教えてください。 

温度・湿度・CO₂・換気など、ハウス環境を一元的に管理しています。複数のハウスを同時に監視できて、外出先からでも設定を変えることができます。各社から様々な機能を備えた環境制御装置が販売されていますが、機能レベルに応じて価格帯に幅があり、ハウスの構造や季節で得意・不得意があるので、"どのハウス、どの環境制御装置を使うか"を見極めて運用しています。
また、環境履歴データを蓄積し、日内変化を画像として生成AIに読み込ませることで、温湿度やCO₂の評価結果を自動で得られる仕組みも導入しています。 

Q3. 農場専用の生成AIの活用について教えてください。

導入のきっかけは、数か月前に参加した農業イベントでの講演です。そこで東京大学でAI分野を専攻されている学生さんと出会い、"農業にも生成AIを本格的に組み込める"と気づきました。現在は、部会規約、栽培管理メモ、経営データなどをAIに学習させ、農場に最適化された専用AIを活用しています。
また、共同利用時のデータの混在を防ぐために、共有版(学習なし)個人版(学習あり)の2つの生成AIを使い分けており、実務と情報管理の両立を図りながら運用しています。 

Q4.部会運営でAIを導入されていると聞きました。 

部会では、様々なテーマで議論をしていますが、生産者の意見が分かれて議論が停滞することがあります。以前、部会内で規格変更の議論が停滞した際、生成AIが規格の変更に関して中立的な立場で根拠を提示したことで議論が前進したことがありました。まだ、生成AI利用していない人もいますが、高齢の部会員でも抵抗は少なく、すでにのべ1000チャットが利用されています。生成AIは確実に農業現場へ浸透していると感じます。 

Q5.栽培管理でも生成AIを活用できるのでしょうか 。 

圃場巡回にも生成AIを活用しています。巡回時の会話や状況をAIに読み込ませれば、生育遅延の原因分析や品種差の説明をその場で提示してくれます。
AIはフロリゲン、アンチフロリゲン、ジベレリンといった植物生理学の文献も参照しており、専門知識を現場へ即時展開することも可能です。例えるなら、現場に研究者が同行しているような感覚です。生成AIの活用で、作業の省力化や品質の向上につながっています。 

Q6.山田さんの "次の挑戦"  

認定を取得し、自分がやってきたことをさらに磨ける道筋が見えました。
スマート農業は機械を導入したら終わりではなくて、技術をどう使って成果につなげるかが重要です。近い将来、生成AIの活用は、農業者にとって必要不可欠になると思っています。
生成AIを使いはじめた当初、こんなにも生成AIの活用で話題になると思っていませんでしたが、私たちの取組が、同じ悩みを抱える農業者にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
私たちも生成AIやデータを活用しながら、持続的な農業を実現していきたいです。