【生産】認定事例vol.18―自動草刈ロボットで果樹園の管理をサポート―
生産方式革新実施計画の認定事例
株式会社やまがたさくらんぼファーム(山形県天童市)
山形県天童市で果樹栽培を行う株式会社やまがたさくらんぼファーム(王将果樹園)は、直営カフェやショップを併設した観光果樹園です。本記事では、同社が取り組む生産方式革新計画の内容と、そのポイントを紹介します。
★生産方式革新実施計画の詳細については、3月のスマ農トピック②をご参照ください。

同社は約13haの経営規模で果樹栽培を行っており、サクランボを中心に、モモ、ブドウ、ナシ、リンゴの生産に取り組んでいます。
地域の農業者の高齢化や後継者不足が進み、農地の維持・管理が課題となる中、比較的小型のスマート農業技術を活用する計画で認定を受け、作業の省力化と効率化に向けた取組を行います。
Q1.計画のポイントを教えてください
今回の計画では、サクランボ栽培でスマート農業技術を活用します。具体的には、自動草刈ロボットを導入し、日々の管理作業の負担を軽減します。
また、このスマート農業技術を活かすために、農地の整備を行います。サクランボの木を直線的に配置し、ロボットが効率よく作業できる環境を整えるとともに、ほ場の周囲に地中埋設式の境界線ワイヤー※を設置して、安全かつ確実に稼働できる仕組みを導入します。
現在は一部のほ場から開始し、将来的にはサクランボ園7haの、約半分の面積で自動草刈ロボットを導入する予定です。
※作業エリアを区画するワイヤーで、自動草刈ロボットがワイヤーから発する信号を検知して境界を認識する仕組み。今回の計画では地中に埋め込む形で設置するため、農作業時の引っかかりを防ぐことが可能。


(更なる効率化に向けて、樹形の変更も実施)
Q2.どのくらい作業負担を軽減できるのでしょうか?
具体的には、作業員全員分の労働時間(総労働時間)が年間500時間程度減る見込みです。草刈作業が不要となる分、収穫や害虫の防除など、他の作業に人手を割けるようになり、労働生産性の向上につながります。特に草刈りの頻度が上がる初夏は、収穫シーズンでもあるので、作業負担軽減の効果が大きいです。
また、通常の草刈り機はケガ、熱中症などの危険を伴いますが、そのリスクを低減できるので、働きやすい環境づくりにもつながります。

Q3.認定を受けた感想をお聞かせください
自動草刈ロボットの導入もちろんですが、改植(※1)の費用について補助を受けやすくなる(※2)のはありがたいです。今回の計画では、令和7年度から11年度にかけて、少しずつ改植を行いながら、自動草刈ロボットを追加導入していきます。自動草刈ロボット自体は、1台で約100万円ですが、改植は10aで約100万円~500万円かかるため、機械導入だけでなく、農地の環境整備も支援してもらえるのは大きいです。
改植して園地を整えておけば、普段の人手での作業効率も上がりますし、自動草刈ロボット以外の機械類も稼働しやすくなるので、この機会にしっかり整備したいと思います。
※1 樹木を植えかえること。
※2 補助に関して、ポイント加算をはじめとする優先採択等の詳細は、こちら(予算事業における優遇措置(R8当初))をご参照ください

今後の意気込みをどうぞ!
スマート農業が普及していない果樹栽培は、離農が想定より早く進んでいます。いずれは収穫作業もロボットが行う時代が来ると思っていますが、まずは今使える技術をフル活用して、新しい農業の形を作ります。
樹形の変更や改植など、特に農地の整備に時間がかかる品目だからこそ、できることからしっかり取り組んで、将来の担い手確保につなげ山形の美しい果樹園の風景を次世代につないでいきます。